NICOとスピッツと私と

NICOが先か、Spitzが先か。

勝気なフロントガール

まず初めに申し上げておきたいのは、
私はいついかなる時もYUKIちゃんのことは

YUKIちゃんと呼んでいる。

どんなにまじめな文章になったとしても、
YUKIと呼び捨てにすることができない。
だからずっと、

このお話はYUKIちゃんで続きます。





「forme」

もう一度デビューしたかのような

アルバムになった、
YUKIちゃんは言っていた。

それを色濃く感じさせるとしたら、
4曲目以降の怒涛のコラボ楽曲だろう。
CharaYUKIちゃんを

もってしてもCharaだし、
細野晴臣細野晴臣だと思った。

でもYUKIちゃんの声が

プロデュース内容によって
大人になったり少女になったりする様が

なんとも可愛らしく
彼女にしかできない

彼女らしいアルバムである。


とはいえ、

始めの3曲だけでも私は胸いっぱいで。
チャイムから、トロイメライ
やたらとシンクロニシティまでの

冒頭3曲は、
長い夢だったり、ドラマチックだったり、

COSMIC BOXなどで
作り上げてきたYUKI WORLDの

現時点の集大成と思えるし、

ランデブーの駆け引き、

ひみつ、二人のストーリー

の健気さとあざとさ、

プリズムのような儚さの全てを

駆け抜けた上に立ち悟るようなトロイメライ

長くなるので割愛するが、
もちろん、シングル以外の名曲たちの

要素もたっぷり含んでいる。


トロイメライアルバムが出る前から

素敵な曲だったけれど、

アルバムの中でより一層

その輝きは増しているように思う。

とにかく、好き。好きが過ぎる。完璧。
長くなったので全曲レビューは削除したけど、
好きなので、トロイメライだけでも。



02:トロイメライ
作曲自体はYUKIちゃんではないけれど、

メロディがとてもいい。
独唱のように始まり、

最後は合唱の様に終わる。

「ささやくように 祈るように

今日をまた乗り越える」
「何度でも笑うのよ

何度でも 許されていいから」
「無邪気な私には戻れないの」
「恋をして 夢をみ見て

幸せに 暮らしますように」

どんな美しい思い出よりも、
愛する人が側にいるということは、
まるで夢みたいに幸せなこと。
だから毎日を乗り越えていくんだと。
まるで私が想像するYUKIちゃんの人生。
大サビの後ろで伸びやかに高らかに

歌うYUKIちゃんの声が
本当に美しくて素敵。


YUKIちゃんが
アーティストとして、
磯谷有希として、
倉持有希として、
なぜ愛される女性なのかが

分かるようなアルバムだったと思う。

いや、彼女の作品は

いつだってそうなんだけど。
ただ今回のアルバム名「forme」が

より一層、その力を感じさせてるような。


彼女ほど、

ソロになって、

結婚して、

母になっても、

「少女の恋」と

「大人の情事」と

「母の慈しみ」

を書き分け歌い分けられる人を

私は知らない。
普通は、やはり偏りが出るものかと。
YUKIちゃん自身のポテンシャルに加え、
YO-KINGとは本当に素敵な夫婦関係が

続いているんだろうと想像する。


ミス・イエスタデイに出てくる、
いつまでも遊んでいられるといいな、は
確かキングの口癖。

でもYUKIちゃんは、

絶対的に大人になった。

大人になったことを自分でも理解し、

肯定しているにも関わらず、
少女であり、女であり、母なのだ。

「あの可愛かったYUKIちゃんが

大人になってしまった」
とは、誰も言わない。

だってYUKIちゃんは

いつだって今がサイコウなの。


ところで、

ソロになってからのYUKIちゃんは、
JAMのYUKIちゃんとは全く違う。

勝気なフロントガールの自己主張は、
バンドが止まってから

何年たっても唯一無二だけれど、

ソロになったYUKIちゃんはもっと、

ちゃんと距離をとって、
伝えるための距離をとって、

お話を聞かせてくれる妖精の様に存在する。



そのモノの見方、捉え方って、

本当にずっと不変で。
(ソロデビュー直後は

色々試行錯誤あったことは割愛する)

変わっていくことの方が容易い中で、

その強さ本当に不思議な魅力。

表現が増えていくことがあっても、不変。

ただしそれは、

JAMのボーカルではない。
今確かに存在し、私を虜にするのは、

ソロになったYUKIちゃんである。


15才で全て分かったふりをして、

涙の河を泳ぎ切って、
ハローとグッバイを繰り返して、

嘘をついて後悔して
いつの間にか大人になっていた

YUKIちゃんですが、
いつもどこまでも様々な姿に

成り分けられる彼女の存在・世界観
そのものが、私にとっては

トロイメライのようなのです。



っていうか、

私のつべこべなんていいから
公式のインタビュー読んでくれよ。
って最後に思いました。
最後に言うことじゃないけど。

http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/YUKI/forme/