NICOとスピッツと私と

NICOが先か、Spitzが先か。

2018/09/24 Zepp Namba ゴースカ

がっつりネタバレをしてますので

ご注意ください。

 

 

 

今回ゴースカに行って思ったのは、

「昔の曲ほどマサムネさんの声は綺麗に出る」

ということ。

 

キャリアを積んでいくとどうしても、

昔の通りに歌えなかったり

キーを下げたり声が掠れたり

しやすくなると思うんです。

誤魔化すつもりはなくても、

今の声に歌いやすい曲を作りがちになったり。

でもスピッツの場合は、

その瞬間が割と真空パックされているというか。

とはいえ魔物じゃないんだから歳はとるし、

「変わらなさ」に幻想を抱きすぎては

いけないと思ってはいる。

 

例えば今のマサムネさんに

隼~三日月ロックの時のような

ザラザラしたハスキーさは

確かに最近は感じられないけれど

(これがまた位色っぽいんです)

インディゴ地平線、サンシャイン、

魔女旅に出る、ハチミツ

なんかを歌うときの透明感は

ほとんど変わらないというか。

逆に、ヒビスクスとか歌ウサギの方が難しそう?

 

スピッツが古くならないのは

歌詞やメロディのみずみずしさだけでなく

本人たちが「憑依型」ではなくて

語り部型」だからだと私は思っていて。

時代が変わって心境が変わっても

なるべく装飾せず淡々と伝える。

表情一つ、動作一つ過剰に演じることなく

本当に淡々とステージに立つ。

歌詞の解説をあまりしないことと同様、

世界観を押し付けすぎないことで

受け取る私たちに余白を与えてくれて

そこに私たちの世界を書き込ませてくれる。

だからスピッツは何年たっても

「現在地」にハマるのだと。

 

改めてその枯れない泉に手足を浸けることができた、

スカンジナビアロック大陸。

以下、その大冒険について。

 

※セットリスト記載しています※

 

 

 

【船乗り】

埼ちゃんが鳴らす軽快なリズムに

両手を動かして小さく揺れながら

ギターを持たずに歌い始めるマサムネさん。

合間にはハーモニカを。

今回の出し入れはとてもスムーズ笑

「大事な日忘れないで

すぐに終わりがあってもね」

って、オープニングにふさわしい曲だったなあ。

 

【不死身のビーナス】

ハコで聞くの初めてかも!

ホールでは割とやってくれる。

最低の君を忘れない、の吐息?囁き具合?

頂きました。

 

【砂漠の花】

うわあああああ。

たむのベースが鳴った時、

完全に私の顔は(!0?)だった。

私にとっては幻の

「さざなみOTR」を彷彿とさせますね。

右手を開いて語るように歌う仕草。

実際に聞いてみると「Y」ぽさを感じるなあ。

ご本人たち曰く、

なんでこれがランクインしているのか謎、らしい笑

 

【えにし】

砂漠の花からのえにしって笑

と思ってたら、

スピッツ的にも「普通だったらない」らしい。

音の上がり下がりが激しいから喉も疲れるんだとか。

ありがたいですほんと。

 

【あかさたな】

投票するかしないか迷って諦めた

「あかさたな」が・・・!

ちいもの特典で映像があるだけありがたいが、

やはり音源が欲しいよ。

深い意味を探るより、

言葉選びやリズムが主役で

本当にかわいい曲。

でも「生」の「喜び」を

歌っていると思っている。

「今生の内に会えた ハニー気づいてる?」

「いろはにほへとへと」が大好き。

 

【ハチの針】

このランクインちょっと意外だったな。

元々の人気に加えて、

前回のツアーで聞けてない人がいるから票が伸びたのかな。

 

インディゴ地平線

これ聞くと、

BONE TO RUN!!に出演するスピッツを追いかけ

大分まで行ったまだ遠征初心者だった頃を思い出す。

あの時はこの曲をセトリに組み込んで夏イベ出てたな。

抱かれたい、と言ってしまったことまでセットで。

いや、そんないやらしい曲ではないのだ・・・。

最後の「uh-uh-uh-」が、

演奏とともに消えていくまで

余計な音を立てずにいたいな、と思います。

 

【ヒビスクス】~【ババロア

エレクトロっぽさを人力で行くヒビスクスと、

打ち込みっぽさを人力でいくババロア

この曲はセットで思い出に刻みたい。

リズム隊の技術が光りまくっているんだろうな。

(凡人の私には分からない)

白い花、も共通する単語として2曲を結んでいるようで

ドラマチックな流れだったな。

「岬」という言葉をマサムネさんの声でなぞられると

生まれてきてよかったと思います。

 

恋のバカンス

悲しみの果て、Automatic、恋のバカンスの3択。

なるほど、この茶番を全国でやっているわけだな?

埼ちゃんの歌声をメインで聞いたのは

これが初めてだったけどとっても素敵でした。

男らしさと丁寧さの声。

最初のサビでコーラスを忘れてたマサムネさんを

ちらっと横目でみた瞬間が最高視聴率を

記録した瞬間でしたね。

最後の決めポーズを練習していたという埼ちゃん。

マサムネさん絶対全員でやりたいと思ってると思います。

 

【スピカ】

根強いねえ、スピカ。

でもゴースカでなくとも聞けるイメージ。

てっちゃんとマサムネさんが

同じメロディラインを弾く間奏が素敵ですよね。

 

【歌ウサギ】

これも意外だったけど納得かも。

私も大好きだし、みんな大好きだろうけど、

3曲しか選べない状況で数多ある名曲たちを

差し置いてここに浮上してきたの震える。

明らかにエロいこと言ってるだろうに、

そう思わせない言葉選びのマサムネ節を

結成から30年以上たっても生み出してくれる

その才能に感謝ですよね。

 

 

【サンシャイン】

一番びっくりしたかもしれない。

みっちゃんに聞かせてあげたいなあ、

と思いながら聞いていた。

空の飛び方には、

みっちゃんの好きな恋は夕暮れも入ってるものね。

このほのかに不安定なメロディラインに

サンシャインと載せる世界観。

「すりガラスの窓を開けた時に

よみがえる埃の粒たちを

動かずに見ていたい」

という歌詞というか視点に

どこか光村感を感じてしまう私です。

マサムネさんの最後のファルセットが

とても美しく、贅沢なひと時。

 

魔女旅に出る

マサムネさん以外の全員も

どこかしらでコーラスやハモリに

入っているタイプの萌える曲。

映画みたいな曲、と崎ちゃん。

 

【三日月ロック その3】

ちょっとご無沙汰な気がして

無意識に体動いちゃった。

サビに向けてキーが上がっていくところ、

声を張り上げるようにではなく

トントントンと歌いあげてしまうあの声は

本当に宝物ですなあ。

 

【運命の人】

曲に入るまでの間は短め。

唯一のシングルかな?

これが一つ入ることで、

セットリストに統一感が生まれる気がする。

 

【野生のポルカ

夏イベでやらなかったから

最近聞いてない!と思ってたけど

レディクレで聞いてた。

楽しい、大好きな曲。

長かった夜がまもなく明けるよ、

で手を広げる仕草が本当に好きです。

 

【1987→】

「ヒーローを引き立てる役」

「雑魚キャラのまんま」と言いつつ

そこに見つけた道(けもの道なのかな)を、

後輩バンドたちもまた歩いてきたんだろうなと思う。

「らしくない自分になりたい。

不思議な歌を作りたい」

という欲は、スピッツのずっと変わらない

モチベーションなんだろうな。

生き物である限り、

醒めたがらない妄想が尽きる日は

っといつか来るんだろうけど

まだまだ先だろうと思わせてくれる

おじさん達の「→」を

これからも追いかけていきたいと思います。

 

【桃】

最近ずっと聞いてたので

テンション振り切って硬直しちゃいました。

「ありがちなドラマをなぞっていただけ。

あの日々にはもう二度と戻れない」

「他人が見ればきっと笑い飛ばすような

ヨレヨレの幸せを追いかけて」

言葉自体もいいんですけど、

「あの日々」とか「ヨレヨレ」とかで

キーがぐっと上がるところに熱が籠って

ジンとさせられるんだろうな。

(後は、桃というだけで古くんを思い出します。)

 

【悪役(仮)】

パンキッシュなラブソングだった。

こんにちは、1987→と同じ空気感のメロディ。

もうちょっと冷静に聞きたい。

 

【ハチミツ】

写真撮影OKだったのですが、

一生懸命歌ってくれているのに

写真なんか撮れるわけなかった。

だってあの名曲ハチミツが目の前で。

横浜サンセット(の映画)では

複数回聞いたけど生は初めてだったので。

蜂蜜の味が昔から変わらないのと同じで、

この曲もほんと不変。

時代に負ける事も、

加齢に負けることもなくツヤツヤしてて。

至福のひと時でした。

 

 

とっても楽しい2時間でした。

個人的には、

写真撮影の時間は無くていいorもっと短くていいかも。

撮っていいと言われたら撮りたいけど、

話してくれてる内容とか

歌ってくれてるところは肉眼で見たいし

(もはやスマホカバンの中だった)

この目で見たいのに、

目の前がスマホで埋め尽くされてる景色というのは

醍醐味であり少々異様なのかな。

スピッツが快く許可してくれているので

享受させていただきますが笑

 

表通りから裏路地に入った秘密基地のような

アルバム曲たちを体中で楽しんだ。

私がリクエストした

「ハイファイ・ローファイ」「コスモス」「

遥か」「シャングリラ」

はかすりもしなかったけれど、

どこかで出会えるといいな。